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メソッドの功罪

高槻の知識は10年前から止まっていることを断っておきます。10年以上前に聞いた話ですが、金管楽器が上手い高校生が、音大に入学したとたんにダメになってしまう、という噂をよく耳にしました。金管といえば、トランペット、トロンボーン、ホルン、チューバですね。なぜダメになってしまうのでしょうか?

それは、奏法に関してメソッドが確立されていないからです。つまり、誰しも皆、自分は正しいと思いつつも、実際はその人個人にのみ通用する奏法だったりするわけです。学生が音大に入って著名な先生に師事すると、その先生の奏法を真似る必要がありますが、必ずしもそれが、学生本人にとって良いとは限らないわけです。先生は自分のメソッドで成功したわけですから、それを学生に伝授しても、それは自然な行為ですので、まさに不幸です。

15年くらい前に、アンブシュアに関する本を読みましたが、著者は、科学的に100%説明できない、と誌面上で嘆いていました。シカゴのオーケストラのホルン奏者が、口の周囲の筋肉に関して分析した書物でしたが、高校生にとっては非常に難しかったです。しかし、結論は単純明快、「よくわからない」でした。金管楽器の口まわりというのは、それほど微妙なわけです。

サックスに関しても似たようなことが言えそうです。奏法という意味では扱いにくい楽器です。なにせ、楽器が未完成なもので、かなり経験を積まないといい音は出ないし、ちょっとしたことで音程が狂います。しかし裏を返せば、うまく微妙にコントロールすれば、素晴らしい演奏を期待できるということでもあります。

管楽器は難しいですね。サックス奏者にハゲが多いのには、なんとなくうなずけます。