「Bebop」の意味
翻訳者の高橋愛さんに、「Bebop」の意味について解説してもらいました。
まず整理しておきます。スイングジャズやラグタイムなど、30年代までのクラシックジャズに対して、40年代に登場したジャズを「Bebop」(ビバップ)と言います。大分類的には62年(コルトレーンが狂い出す)くらいまでをBebopと呼んでよいのですが、あえて50年以降のジャズを「Hardbop」(ハードバップ)と区別することが多いです。また、ビバップやハードバップのことを単に「Bop」(バップ)と言うことも多いです。ちなみにハードバップの一部をさらに「Cool Jazz」(マイルスの「クールの誕生」)と分離して呼ぶこともあります。
さてビバップです。彼女によると、「Bebop」に意味はないらしいです。スキャット(ボーカルのソロ)は例えば「シュビドゥバ…」などと歌いますが、このシュビドゥバなどには、意味はありません。それと同じように、40年代に新しいジャズに触れた人達が、その音楽のことを「bebop」と“擬音”のように表現し、それがそのまま名称となったに違いないと。
スイングジャズは2ビート、すなわち4拍子の曲なら、ベースが1拍目と3泊目に音を鳴らしていました。それがビバップでは4ビート、すなわち、4拍子の曲において、ベースが1拍目、2拍目、3拍目、4拍目に音を出します。このようにビートが2倍になった様を「bebop」と“口吟む”ようになったのかと思います。
ハードバップはビバップに比べると“小難しい”ジャズです。「hard」は「辛い」という意味であり、反意語は「平易な」という意味の「easy」です。50年代のジャズは、30年代までのイージーリスニング的なジャズに対して、聴くのが辛いバップ、つまり「ハードバップ」なのだそうです。
プログレッシブ英和大辞典第3版で「Bop」を調べてみると「殴る、打つ、殴打、けんか、乱闘」とあります。Bebopは当時としては反動的な音楽でしたので「Bop」の本来の意味につながるものがあるのかと思いましたが、そうではなく、上記で説明した通り擬音から来ているらしいです。