« 「速度規制」「チェーン規制」という、いい加減なくっつけ方 | メイン | 録音というより音楽が珍しかった頃のレコード »

カップヌードルとスタイラスの共通点

日清のカップヌードルは1971年の登場以来、2003年の夏までに全世界で200億食が売れたそうです。代用食の域を超えていますね。とかく敬遠しがちな“ジャンクフード”ですが、こんなに売れたのは、本物のラーメンを目指さなかったからだと思います。

人造のモノを作るとき、ややもすると「いかに本物に近づけるか」という意識が働いてしまいます。しかし、カップヌードルは全く逆でしょう。くにゃくにゃの縮れ麺、くどくて刺激的なスープは、本物のラーメンなら絶対に目指しません。カップヌードルはウソを追求した部分にこそ独自性があると言えるでしょう。

ところで、スタイラス(Stylus)という、ソフトリズムマシンを使っています。これの良さは、カップヌードルの美味しさにつながるものがあると思っています。

ここに音源をアップしてありますが、こんな音色のドラムセットはこの世に現存しません。リズムが跳ねているので聴くだけではわかりにくいですが、実はリズムが少し揺れています。グルーブという意味では本物指向なのかもしれませんが、音色は偽物指向、しかしトータルで見ると、やはり本物のシミュレーションではありませんので、スタイラス独自の音です。

ちなみにスタイラスには、本物指向のサンプルも数多く収録されています。例えばコンガの音はこんな感じです。恐らく、本物の演奏を録音し、それをMIDIデータとして分解しているのだと思います。

感性の面では、本物か偽物かはどうでも良いことだと思います。しかし、中途半端に本物に近いと、「本物を真似ようとしているが達していない」という“論理”に、感性がつぶされてしまいます。